【知床】野生のシャチに会いたい(2017~18)

北海道

人生で最も思い出深い知床マイナー旅

 

 ブログを立ち上げて真っ先に書きたかった旅日記。私は2016年、2017年と2年かけて野生のシャチに会いに知床に行った。夢で膨らんだ私の胸がしぼんで膨れて、またしぼんで膨れた話。

シャチへの想い

 私はシャチが好きだ。あの黒くて、白いおめめ(正しくはアイパッチ)で、背びれがそそり立つ海の生態系の王者のあのシャチだ。シャチは海の中を最高速度40-60km/hで泳ぎ、ジョーズでおなじみの最恐 ホホジロザメを腹パンで瞬殺する。時には自身の何倍のサイズのクジラをチームで狩る。

とにかく強い。シャチは間違いなく地球上で一番強い。

少年が恐竜、特にティラノサウルスにあこがれるように少年はなひげはシャチの強さにひかれた。毎日図書館の海獣図鑑を読み漁ってシャチのイラストにうっとりしていた。実家の部屋の時計の横にはシャチのパズルを飾っており、朝起きて真っ先に目にシャチが飛び込んでくる生活を15年近く続けていた。

(写真)実家の壁。キラキラしたラッセンのシャチパズル。私もゴッホよりラッセンが好きである

  

 そんな私にとって野生のシャチに会うことは人生の夢であった。今後このブログでは海の生き物に会いにわざわざ水族館ではなく現地に行って見に行くことが当たり前の事として記載されるが、シャチも例にもれず野生にこだわった。水族館が嫌いなわけではないが、あの巨体が狭いプールで泳いでいるのを見ると胸が苦しくなってしまう。また世界一強いシャチが人間のお姉さんを背中に乗せてパフォーマンスしているのを見るとなんか違う気分になる。たとえるならモハメドアリの上でお姉さんがショーをしているような違和感である。

シャチの生態

 私の思想はこれくらいにして、野生のシャチの話に戻ろう。皆さんは野生のシャチが生息する場所としてどこが思いつくだろうか?どこも知らんわ、という寂しい回答はおいておいて例えば以下を推測する人も多いのではいだろうか

  • 南極
  • アラスカ周辺
  • グリーンランド
  • アイスランド
  • 北米

実はシャチは上記海域の全てに生息している。つまり全部正解。もっと言うと世界中割とどこにでも生息している。通常冷たい海を好む彼らも、たまには暖かい海でも目撃情報がチラホラと。詳しくはnational geographicの以下の記事をご参照ください。

シャチ
オルカとも呼ばれるシャチはマイルカ科最大の種で、食物連鎖の頂点に位置する。

ここで分布図をよく見てみるとあることに気づく。

そう日本の海にもシャチは生息しているのである。

なんと!いるじゃん!自分たちの周りに憧れのアイドルのシャチが実は!この事実に私が気づいたのは大学を卒業するころである。私はずっと野生のシャチに会うにはカナダのバンクーバーに行かなくてはいけないと思い込んでいた。貧乏学生の私はカナダにいつの日か訪れることを夢見てバイトや就職活動に励んでいたが、結果として必要のない努力であった。

日本にいるじゃん!!

 灯台下暗しとはこのことである。ナショナルジオグラフィックの分布を信じるなら私の住んでいる町の海にいたっておかしくないのである。夢は案外身近に転がってるんですね、皆さん。そうと分かれば話は早い。パスポートを捨て羽田空港国内線経由でシャチに会いに行こう。行先は北海道の知床。

 どうやらシャチは毎年初夏の時期(6月前後)にロシア方面から知床にやってくるらしい。その理由に興味がある方はNHKオンデマンドでどうぞ。平たく言えば餌の多い初夏の知床でイチャコラするのが目的らしい。

知床 シャチ 謎の大集団を追え | NHKスペシャル
【NHK】世界自然遺産 北海道知床。この海には、毎年春から夏にかけて、シャチの群れが頻繁に訪れる。しかし、どこから何のためにやって来るのか?いったい知床の海で何をしているのか?その生態は全くと言っていいほど分かっていない。その謎に迫ろうと、…

いくぜ知床!シャチを目指せ in 2016

 鼻息荒く私は知床に向けて飛び立った。関東から知床に行く手段はいくつかあるが、一番楽なのは羽田⇔女満別空港と飛行機移動した後にレンタカーで知床を目指すパターンだろう。

2017年の私は釧路空港経由で向かった。理由は特にないが、なんとなく教科書で聞いた「釧路湿原を見てみたいな~」の気持ちで選んだ。

その釧路湿原がこれである。

(写真)曇り空の釧路湿原。風も強い

う~ん、どんより。雨もパラパラ。風が吹いているぞ

快晴の釧路湿原が見たかったわけではないが、天気が悪いのが気になる。風が吹いているのももっと気になる。海関係のアクティビティに詳しい方は察するかもしれないが、風が強いのは非常に好ましくない。なぜなら海が荒れて船酔いしまくるからである。もっと言うと船が沖に行けないケースもある。

 一抹の不安を釧路湿原から投げかけられながら、私たちは知床に向かって北上した。道中、標津サーモン科学館があるので寄ってみた。チョウザメに自分の腕を嚙みつかせる(歯は無い)攻めた展示をしているのでぜひ立ち寄って見てほしい。想像よりもでかく怖い。https://maps.app.goo.gl/R3VBgeEJtmzJ2e46A

(写真)チョウザメ指パックンコーナー。主(巨大チョウザメ)は腕ごとかまれるサイズ

近くの野付半島もこの世の終焉みたいな光景の中をドライブできるので楽しい。こちらも足を運んでほしい。https://maps.app.goo.gl/MrtYnfqzKkSrz1zu7

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(写真)野付半島。道路の両サイドが海で、地獄みたいな木が生えているユニークポイント

だいぶ話が脱線したがそんなこんなで知床に到着。ついに明日からシャチツアーである。知床のシャチツアーは羅臼から観光船に乗り込みロシアとの国境に気を付けながら近くの海を捜索してシャチを探す半日ツアーが主流である。私は念のため知床でのシャチツアー用に2日確保していた。だってこれがメインだもんね、初日でシャチに会えなかったら寂しいから次の日はバックアップ用にね!の気持ちで日程を組んだ。

 結論から述べるとこの考えが甘かった。春の知床の天気の悪さをなめていた
私はなんと2017年の旅ではシャチに会えなかったのである。
もっと言うと、一度も船に乗ることすらできなかったのである。

チックショー!。こんなことになるとは。いい気分で知床の素敵なお宿で夕飯をいただいていたら一本の電話が。明日のシャチツアーの業者から着信。「明日は風強いから出航キャンセルかも~。また明日の朝電話するわ!」
 非常に嫌な知らせである。こんな気持ちで今日は寝れと!?明日人生の夢がかなうかもしれないと思っていたら、船が出ない可能性がある!?色々と気持ちの整理がつかないままその日は就寝。
 次の日朝一に電話が鳴った。ツアー業者からだ。「やっぱ今日はダメ!風が強いからツアー中止。また明日ね!」。まじかよ~。まぁ風が強いからしょうがないよね… ほぼ半泣きの状態で気持ちを落ち着かせ、この日は周辺観光。

 知床五胡や道の駅などいろいろと散策したが気持ちは晴れず。お空も相変わらずも晴れず。そんな状態でも最高に楽しめたのがカムイワッカの湯の滝です。

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この滝はその名の通りお湯(春はぬるい)が流れ、専用の足袋を履いて気持ちよく滝の上を遡上できる場所。サケもこんな温い滝があったら喜んで毎日遡上することだろう。

(写真)いい景色の湯の滝で落ち込んだ気分を回復する著者

とまぁ一通りの観光を楽しんだ私たちだが、先述のように2017年の旅はシャチに会えなかった。
つまり2日目もダメだったのである。風が強くて船すら出航できず。夢にまで見た野生のシャチに会える旅で、まさかの船にすら乗らずに終了するとは…。知床二日目のツアー欠航をしたっタイミングは泣いた。比喩ではなく普通に泣いた。いい大人がシャチに会えずに泣いたのである。それくらい私は本気であたった。昨今の握手券を買えば会えるアイドルよりも会うのが難しい。それが野生のシャチなんだと身をもって体験した知床旅となった。

 号泣しながら私は「また来年も来る。シャチに会うまでずっと来る!」と誓った。というこでこの旅はタイトルかわかるように2年にわたる壮大な旅となった。2018年の春~初夏に向けて社畜サラリーマンを1年演じ私はまたこの地に戻ってくる約束をした。

また行くぜ知床!シャチウォッチ in 2018

 2018年6月

 帰ってきた!私たちは知床に1年ぶりに帰ってきた!!鬼のような仕事量を耐え抜き、毎日天気予報を眺めながらついにこの日がやってきた!!相変わらず知床の空はどんよりしている。ちなみに今年は女満別空港経由できたが、この時期は芝桜がきれいでおすすめ。どんよりした雲空を明るく染め上げてくれるけなげな存在。

(写真)ひがしもこと芝桜公園。青い空とピンクの対比でみてみたい。しかし空は灰色

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ついに野生のシャチとご対面 (旅のハイライト)

今年は昨年の反省を生かして知床でのシャチツアーの候補日を2.5日とした。少しでも海に出られる確率を上げる、シャチに会うためである。結果として2年目は2日海に出られ、1日出られるず、1日シャチが見れたという実績となった!!そう、ついにシャチに会えたのだ!!

野生のシャチに!夢がかなった!

この時の感動は一生忘れないだろう。本当に本当にうれしかった。ブログで笑顔が咲き誇る私の顔写真をアップできないのが悔やまれるくらい。自分のネットリテラシーの高さが悔やまれる。ぜひ昔のスマホのガビガビな画質の写真であるが見てほしい。最高です。

いや~とにかく可愛い。かっこいい。最高。楽園。天国。
アイパッチが茶色い個体は赤ちゃんです。大人になるにしたがってどんどん白くなるそうです。
本当に雄大でかっこいいんだよ~君たちは。

動画でもぜひ見ていただきたいです。オスのシャチの背びれは最大で2mにも達し、本当にかっこいい。大自然の中を悠々泳ぐその姿は紛れもない生態系の王者です。

「生きていてよかった~」とナチュラル織田裕二を発現したところで今年の旅は残念ながら終了です。次の日のツアーでは運悪く会うことができませんでした。それでも会えたので今年は大満足です。

 

シャチ旅を終えて

 皆さんにとって本当に会いたい人、生き物って何でしょうか?その対象に会えた時の感動はどんなものだったのでしょうか。コメント欄に記載してくれたらうれしいです。
 長文お読みいただきありがとうございます。こえで私のシャチに関する夢はかなったかと思たら、どんどん強欲になってしまい最終的には「野生のシャチと一緒に泳ぎたい」に変化してしまいました。人間とはなんと欲深き生き物なのでしょう。我ながらドン引きなモチベーションですが、それをかなえるべく再びネットの海をさまよいます。そしてノルウェーで野生のシャチと泳ぐことができることを知り、壮大な冒険に繰り出すのでした。それはまた別の日記で!

以上、知床日記でした。

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